交通事故に遭った際、「保険会社から提示された慰謝料が適正なのかわからない」「治療を続けたいのに、治療費の支払いを終了すると言われた」「このまま示談に応じてよいのだろうか」と、不安を抱える方は少なくありません。
交通事故では、治療、後遺障害、慰謝料の算定、過失割合、示談交渉と、法的な判断が必要となる場面が続きます。弁護士が早い段階から関わることで、保険会社の提示内容を確認し、適切な損害賠償を検討しやすくなります。
本記事では、弁護士に依頼するメリットを、慰謝料の考え方や費用面とあわせて解説します。
弁護士に依頼する主なメリット
保険会社とのやり取りを任せられる
けがの治療や仕事への影響に対応しながら、相手方の保険会社と交渉を続けるのは大きな負担です。弁護士に依頼すると、連絡や示談交渉を任せることができ、治療や生活の立て直しに専念しやすくなります。
請求できる損害を整理できる
事故状況、治療経過、収入への影響などを法的な観点から整理し、どの損害をどのように請求すべきかを検討できます。保険会社の提示内容が、被害者にとって十分な補償とは限りません。提示された条件を確認し、必要に応じて交渉するには、専門的な知識が役立ちます。
慰謝料について弁護士基準を踏まえた交渉ができる場合がある
弁護士が関わることで、弁護士基準(裁判基準)を踏まえて慰謝料額を検討し、保険会社と交渉できる場合があります。その結果、保険会社から当初提示された金額より増額となるケースもあります。
ただし、増額の有無や幅は事故の状況やけがの程度、治療期間などによって異なり、弁護士に依頼すれば必ず増額するというものではありません。次の章で、慰謝料の算定基準について詳しく見ていきます。
交通事故の慰謝料はどのように算定されるのか
慰謝料とは、事故によって受けた精神的苦痛に対する損害賠償です。入院や通院による精神的苦痛に対する「傷害慰謝料」と、後遺障害が認定された場合の「後遺障害慰謝料」があります。
3つの算定基準
慰謝料の算定には、一般に次の3つの基準が用いられます。
● 自賠責基準:自動車損害賠償責任保険による、最低限の補償を目的とした基準
● 任意保険基準:各保険会社が独自に定める基準(詳細は非公開)
● 弁護士基準(裁判基準):過去の裁判例をもとにした基準。弁護士が示談交渉を行う際に参考にする
金額の目安(通院のみの傷害慰謝料)
たとえば、むち打ち症などで通院した場合の傷害慰謝料は、基準によって次のように異なります。
| 通院期間 | 実通院日数 | 自賠責基準の目安 | 弁護士基準の目安 |
|---|---|---|---|
| 3か月 | 30日 | 約25.8万円 | 約53万円 |
| 6か月 | 60日 | 約51.6万円 | 約89万円 |
※自賠責基準は1日4,300円を、「通院期間」と「実通院日数×2」のうち少ない日数に掛けて算出した目安です。弁護士基準は、他覚所見のないむち打ち症等の場合の目安です。
※上記は一般的な基準にもとづく目安であり、実際に受け取れる金額を示すものではありません。けがの内容、通院状況、過失の有無などにより、金額は大きく異なります。弁護士に依頼すれば、この金額が得られるというものではありません。
保険会社の提示額が、どの基準で算定されているかを確認することが、適正な賠償を考える第一歩です。
慰謝料以外にも確認すべき損害があります
交通事故の損害賠償は、慰謝料だけではありません。治療費、通院交通費、休業損害、後遺障害が残った場合の逸失利益など、さまざまな損害が生じえます。
特に後遺症が残っている場合、後遺障害等級の認定が賠償額に大きく影響します。症状が残っているのに十分な確認をしないまま示談してしまうと、後から追加で請求することは原則として困難です。示談案が届いたら、署名や返送の前に内容を慎重に確認してください。
過失割合も賠償額を左右します
事故の当事者双方に過失がある場合、その割合に応じて、受け取れる賠償額が減額されます(過失相殺)。たとえば過失割合が10%違えば、賠償額も1割変わります。
過失割合は、事故状況の資料(ドライブレコーダーの映像、実況見分調書、事故現場の写真など)にもとづいて判断されます。保険会社の主張する割合に納得できない場合は、示談前にご相談ください。
弁護士費用が心配な方へ
「弁護士に頼むと費用がかさむのでは」と心配される方も多いと思います。
ご自身や家族が加入する自動車保険などに弁護士費用特約が付いている場合、一般に、法律相談料や弁護士費用が一定額(たとえば相談10万円、費用300万円程度)まで保険でまかなえることがあります。特約を使っても、翌年以降の保険等級や保険料に影響しないことが一般的です。ただし、補償内容は保険商品によって異なりますので、保険証券や保険会社でご確認ください。
一方、事故の内容によっては、増額が見込まれる金額よりも弁護士費用のほうが大きくなる「費用倒れ」となる場合もあります。当事務所の費用については、弁護士費用のご案内をご参照ください。具体的な費用は事案によって異なりますので、ご依頼前に費用の見通しについてご説明します。
弁護士へ相談するタイミングと、事故後にやっておくこと
弁護士への相談は、示談の直前に限られるものではありません。治療中の段階でも、今後どのような資料を残すべきか、保険会社とどう対応すべきかを相談できます。
事故後は、次のことを心がけてください。
● 警察への届出を行う
● 事故現場や車両の損傷状況を、可能な範囲で写真に残す
● 通院日、症状の変化、保険会社とのやり取り、交通費などを記録・保管する
また、交通事故の損害賠償請求権には時効があります。一般に、物損については損害および加害者を知った時から3年、人身損害については5年とされています。事故の内容や請求先などによって確認が必要となるため、長期間そのままにせず、早めに対応することが大切です。
一方で、保険会社から示談案を提示されたからといって、内容を十分に確認しないまま合意を急ぐ必要はありません。
特に、治療費の打ち切りを打診されたとき、後遺症が残っているとき、示談案が届いたときは、一度弁護士への相談をご検討ください。
当事務所では、まず現在の状況とご意向を伺い、ご依頼者様と相談しながら方針を決めます。初回相談では、事故の経緯、治療の状況、保険会社から提示された内容を確認したうえで、今後の対応についてご説明します。
まとめ|示談を成立させる前に、一度ご相談ください
弁護士に依頼することで、保険会社との交渉を任せられるだけでなく、算定基準の見直しや損害の整理を通じて、適切な賠償内容を検討できます。弁護士費用特約が使える場合は、費用面の負担を抑えられる可能性もあります。
加古川パートナー法律事務所は、相続・交通事故・債務整理に関する解決実績を重ねており、交通事故に関するご相談は初回無料で承っています。
● 所在地:兵庫県加古川市平岡町二俣782番3 鈴木ビル305号室
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慰謝料や示談、保険会社との交渉でお悩みの場合は、示談を成立させる前に、ぜひご相談ください。
